縁側のお茶のみ場

　今日は星巡りの悪い日だったと仕事帰りに思った。

　指怪我するわ、そのけがした指を扉に挟んでマジ痛いわ、忙しすぎて自分に割り振られた仕事出来んわ。
　マジ勘弁。

　まあ、そんな日もある。
　運気はめぐるものですので。

　で。

　帰り道にて猫遭遇！
　にゃんこ好きな私としては癒されまして。すれ違うだけでもちょっとラッキーに感じてしまうものです。
　そのまま帰る途中にまた遭遇。

　…　…　遭　遇　？



　何か違う。
　ちょっと大きい。犬か？
　犬じゃない。
　あ、横向いｔ……

　顔なげぇ！？

　何だコイツ何だ！？
　暗いから良く見えないというのもあるが、顔が長い。猫でも犬でもない。
　どっかの家から逃げた生物か？　いや、首輪をつけていた形跡もない。
　写真撮るか、いや逃げちゃうだろ、それはダメだ。

　彼に電話しつつ、見つめ合ったままの生物についてどんなものかと説明する。
　猫でも犬でもない、顔の長いの。サイズは猫よりちょっと大きいか猫くらい～と説明してる私の横を、地元の人が通りかかり。

「ああ、それタヌキですよ」

　た、タヌキー？！　東京にいるのか！？

「この辺り、よくいるんですよ」

　野生の狸。いるらしい。
　電話しながら騒いでたわけのわからん人間に親切に教えてくれた地元の人、どうもありがとうございました。

　タヌキ？とは一瞬考えたけど、東京の新宿にタヌキが出るなんてねぇだろと考えて思考から捨て去ったのは間違いだったようで。
　大きさ的に子供だね～と教えてもらったので、タヌキって結構でかいのかぁと実感。尻尾そこまで丸くなかった気がするなぁ。あんなものなのか。
　動物園なんてそんなに行ったことないし、記憶に残ってないもので。
　うあー、ナデナデしときゃよかったかなぁ。危ないか。うー。

　げんなりも吹っ飛ぶ素敵な出会いでした、まる。